■ヤッタオル!のタオルの話
熊本産タオル工場見学
熊本産タオル工場見学
日本のタオルの発祥の地で、日本製タオル産地のひとつである「泉州タオル」と同じ製法[後晒し後染め]で作られている工場にご協力いただき、工場見学をさせていただきました。

製織
泉州タオルの製織では、織機(しょっき)で、綿糸を丁寧に織り上げていきます。この織機で使われる糸は、強度を保つために「サイジング」と呼ばれる加工がされており、糸に蝋(ろう)や糊を塗って補強しています。
工場内は、綿にとって最適とされる湿度70%前後が保たれていて、加湿器などを使って年間を通じて徹底管理されています。こうした環境が、柔らかくて上質なタオル作りに欠かせないんです。
タオルのふんわりした感触の決め手は「パイル(ループ状の糸)」です。パイル用の糸を、ベースとなる地糸よりわずかに早く送り出すことで、時間差によって糸にたるみが生まれ、それがふっくらとしたパイルになります。
しかも、織るスピードを調整することで、パイルの長さも自在に変えられるのです。一度に6本分のタオルを幅いっぱいに織り上げられます。
また、数千本にも及ぶ縦糸と横糸のうち、たった一本でも切れたらすぐにドロッパーという装置が作動して機械がストップ。そうすることで、不良品が出ないように管理されているんです。この仕組みも、職人たちが長年の試行錯誤を重ねて作り上げたもので、タオルの品質の高さを支えています。



検反
タオル生地が織り上がった後に行われるのが、「検反(けんたん)」と呼ばれる工程です。これは、生地の状態を目で確認し、キズや汚れ、織りムラがないかを丁寧にチェックする品質管理のための作業です。
織りのスピードや機械の状態、原糸のわずかな違いが品質に影響を与えることがあるため、専用の検反台に生地を通し、光を当てながら織りの状態を1反ずつ確認していきます。見逃しのないよう、熟練の作業員が目視で隅々まで検査します。検反中に不良箇所が見つかれば、その位置をマーキングし、後工程での修正や仕分けに活かされます。

タオル耳(ミミ)のミシンかけ
織り上がったタオル生地は、そのままでは端がほつれてしまうため、次にタオルの耳(ミミ)のミシンかけ作業が行われます。「オーバーミシン」とも呼ばれており、生地の両側をミシンで丁寧に縫い、補強する工程です。
この工程は、後の洗いや裁断、縫製といった作業に備えて、タオルをしっかりと形に保つために欠かせないステップとなっています。

裁断・ヘムミシン・タグ付け
いよいよタオルとしての形に整えるために「裁断」されます。大きな反物状の生地を、あらかじめ決められたサイズに沿って一枚ずつ正確にカットしていく工程です。
裁断後は、切り口がほつれないように端を縫い留める「ヘムミシン」作業へと進みます。タオルの四辺にミシンをかけてしっかりと縫製し、耐久性と見た目の美しさを両立させます。

