■ヤッタオル!のタオルの話
「領布(ひれ)振り」と「白手拭い(白タオル)」
領布(ひれ)振りの呪力
日本神話の中で「領布(ひれ)」と呼ばれる不思議なパワーを持つ布が登場します。「領布」とは古代女性が正装時に肩に掛ける細長い薄い布のこと、ショールのようなものです。これを振ることで魔除けの力が生じたと言われています。古来より日本では「振る」という行為は神秘的なパワーを発生すると考えられていました。現代でも人を見送るときなどに手を振りますが、その行為は幸運を願うもので、意識して行いませんが神話が現代にまで受け継がれているということでしょう。
白い布は身を清める「手拭い」のパワー
「領布振り」は、現代的に例えてみるとスポーツ観戦でファンが応援のためタオルを振る光景を思い浮かべます。「手拭い」は現代の「タオル」であり、「振る」ことで選手へ力が伝わり、気持ちを奮い立たせる効果があることでしょう。古代では布のパワーとして特に「白い布」は身を清めると言われており、「白い手拭い」は神事などで手や体を清めるための祭具でした。また手拭いの語源は「手(た)「拭(のご)う」で、これは身を清める布という意味です。現代では「白タオル」がその力を受け継いでいるのではないでしょうか。