■ヤッタオル!のタオルの話
スクリーン印刷とは
スクリーン印刷とは…
印刷方法には、凸版(活版印刷)、平版(オフセット印刷・リトグラフ)、凹版(グラビア印刷)そして、孔版(スクリーン印刷)があります。スクリーン印刷の原点は「ステンシル」という印刷技法です。その「ステンシル」の原理は簡単で穴(孔)の空いた型をつくり、型の上から筆・刷毛・スポンジ・ブラシなどを使ってインクを塗ります。するとその空いた穴(孔)の部分のみ透過し固定されるという技法です。この技法の歴史は大変古く、旧石器時代の洞窟壁画に描かれている繰り返しの文様装飾に使われていたようです。
シルクスクリーンと呼ばれる理由
日本古来の染色技術が「ステンシル」であり、着物の柄を表現する手法の一つです。その技術から友禅の型紙では「糸吊り」の手法により表現され、さらに明治の末頃に「紗張り」へと発展し日本全国に広まりました。それにヒントを得たイギリス人サミュエル・シモンが1907年に絹糸を使った紗張りのスクリーン印刷法の特許を取ったとされており、これ以降「シルクスクリーン」と呼ばれるようなったようです。現在では絹ではなくテトロンやナイロンなどの化学繊維が使用されています。
写真製版により印刷用途が広がる
多様な素材に対応するインクが開発されたことと、技術の進歩(特に写真による製版)によりシルクスクリーンの世界が一気に広がることになります。基本原理が「孔」からインクの透過によって固定される特性から、従来の印刷が困難だった材質・形への印刷が可能になります。1920年代にはアメリカで曲面のガラス瓶への印刷が始まり、看板・標識・サイン・商品容器など日常生活で目にするものの多くに使用されています。また、1940年代には電気回路(プリント回路)により小型化された無線機を製造されましたが、その後の技術進展により「産業の米」といわれる半導体回路にスクリーン印刷の原理が使用されています。
また、アメリカでは商業印刷と区別するため「セリグラフィー」と名づけ、アートとしてのシルクスクリーン印刷が明確化されるようになりました。ポップアートに代表されるアンディウォーホールなどの作品にスクリーン印刷を使ったポスターが発表されています。